本当にあった親不知抜歯の怖い話③
【2022年2月25日】
入院した事の安堵感と今後の不安が入り混じり、少し寝ては起きてを繰り返す内に気付くと窓の外は明るくなって来ていた。
朝は慌ただしく始まった。
車椅子に乗り、看護師さんに押されながら血液検査とCT検査を受けに行き、部屋に戻ったのが10時頃だったはず。
4人部屋の窓際で外の景色が良く見えて少しだけ落ち着いたのを覚えている。
お昼ご飯何かな?(検査の為、朝ご飯は食べれなかった。。。)そんな事を考えられる余裕もあったので、顎の腫れもあり辛いが精神的には楽にはなっていた。
11時になった頃、看護師さんが部屋に入って来て『先生が検査結果などのお話しがあるので行きましょう』そう言われ、耳鼻科の先生のもとへ向かった。
部屋に入り先生と軽く会話をし、現在の病状の説明を受けたが、難しい事を言われたので内容はあまり覚えてはいない。
けど、『手術致します』この言葉だけは、正直なところなんとなく察していたので、『でしょうね。。。』と深く深く思った。
そこからはとても早かった!
あれよあれよと車椅子に再度乗せられ部屋に戻る最中に妻と遭遇した。
※妻回想
入院した翌日は夫の入院道具や着替えを持って病院に行きました。
『△△の妻です』と看護師さんに伝え荷物を渡すと、夫は先生の所へ診察を受けに行っているとの事。
コロナの関係で病室で待つ事も出来ないのでその日は直ぐに帰り、病院の駐車場に置いていた車に乗り、エンジンをかけて発進しようとした時、見知らぬ番号から着信。
『はい、△△です。』
『△△さん○○病院の者ですが、旦那さんが緊急手術になりましたので直ぐにお戻り下さい。』
驚く暇もなく急いで病院に戻ると、部屋に戻る途中の夫と遭遇した。
顔色は悪く生気が無い、まるで生ける屍のような表情をしていて、話しかけるが黙って頷くだけでした。
遭遇した時の話しは後日、妻から聞いたがあまり覚えていない。
覚えている事は手術前に自分で電動髭剃りで髭を剃った事くらいだ。
※先生に衛生面の為、髭を剃るように言われていた。
そこから時間を見ていないので分からないが、比較的早く手術の準備が整い車椅子に乗せられ手術室まで運ばれた。
※全身麻酔は人生で2回目。本当にあっという間に意識が無くなるよね。。。
手術中の記憶は全くない。
当たり前なのか?分からないが夢なども見ていない。
何時間過ぎたか分からないが、目覚めた場所は見知らぬ天井だった。。。
※妻回想
夫の手術の間は待合室で待つように看護師さんに言われました。
そこはオープンな待合室で、特に親族限定でも無く誰でも入れるような場所でもあり、私の他にも手術の付き添いの家族が何組か待っていました。
手術が終わると待合室の電話が鳴り、家族が呼ばれ、一組また一組といなくなっていきますが、一人の女性(推定40代後半)だけはずっと残っている。
しかも、様子がオカシイ。。。
ずっと、何かに話しかけているのだ。
※後に判明するが、名前はタマミ(仮名)と言うらしい。
他の親族達は全て出て行ってしまったので、待合室には私とその女性しかいないし、勿論、私に話しかけている訳でも無い。
気味が悪いなと思いながらも気付くと夫の手術時間になり、不安な気持ちで過ごしていましたが、どうもタマミが気になる。。。
ずっと、誰かと何かを話している。。。
そして次の瞬間、タマミは夫がいる手術室の方に突撃して行きました!
『???えっ???どうゆうこと???』
あまりの突然の出来事に茫然としていましたが、暫くすると中がざわつき始め、看護師さんの叫び声や怒号は聞こえ、警察が何人も来て騒然としていました。。。
※名前はその時に目の前で行われていた事情聴取で判明。
何故、タマミがそこにいたのか?(免許証の住まいはこの病院からは凄く遠かった)
いったい、そこで何をしていたのか?誰に話しかけていたのか?
全ては不明のままタマミは警察に連行されていき、気付けば相当な時間が立っており、突然鳴った電話の受話器を取ると、夫の手術が無事に終わりましたと伝えられました。
不安な気持ちの中、タマミのお陰でサスペンスドラマを見ている感覚であっという間に時間が過ぎたので少しだけ感謝致しました。
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